金融庁の金融審議会は6月3日、男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦の場合「30年間で2000万円不足する」とした報告書を公表した。
さらに、経産省が今年4月15日に開いた諮問会議では、2018年に65歳となる夫婦世帯が今後30年間で、公的年金以外に2900万円近く必要とする独自試算を示していた。
- 「老後に2900万円不足」 経産省も別の試算(日本経済新聞、2019年6月27日)
安倍晋三政権は公的年金制度を「100年安心」と繰り返し強調してきたが、今や公的年金制度への信頼は大きく揺らいでいる。
6月10日の参議院決算委員会では、共産党の小池晃書記局長が、年金支給額を実質的に削減していく仕組みである「マクロ経済スライド」の問題を指摘し、この制度の廃止を訴えた。さらに、法人税について、大企業に対して中小企業並の基準で課税すれば、約4兆円もの財源を確保できることも示した。
- 生活できる年金に底上げを(日本共産党)
しかし、答弁に立った安倍総理は、小池氏の質問に正面から答えることなく、聞かれてもいない「マクロ経済スライド」の仕組みの説明などを長々と述べてはぐらかそうとした。
挙句の果てには、共産党の小池氏に対して民主党政権時代の年金政策を批判し、「私は民主党じゃないですから。無意味な反論はしないでください」と一周される始末であった。
IWJは、老後資金「2000万円不足」とした金融審議会報告書問題について、金融庁に直撃取材を行った。ぜひ、下記記事もあわせてご覧いただきたい。